ユネスコはこれまで「表現の自由」「報道の自由」を旗印に世界中のジャーナリストと図書館・アーカイブ活動を支援してきました。日本ではたまたま憲法記念日にあたるため、あまり知られてませんが、毎年5月3日はユネスコ「報道の自由デー」として世界中でさまざまな行事が開催されています。
そのユネスコがUNAOC(国連文明の同盟)と協力しながら全世界的に推進している活動が、「メディア情報リテラシーと異文化間対話」プログラムです。メディア情報リテラシーとはメディア・リテラシー(民主主義社会におけるメディアの機能を理解し、メディア・コンテンツを批判的に読み解き、創造・コミュニケーションする能力)と情報リテラシー(情報の必要性を把握し、収集・整理・評価する能力)を統合・発展させた新しい概念です。ジャーナリストや図書館司書、教職員、市民、学生、関連機関・組織を土台に世界中で運動が進められています。法政大学はユネスコの「メディア情報リテラシーと異文化間対話大学ネットワーク(UNITWIN MILID)」の加盟大学であり、「アジア太平洋メディア情報リテラシー教育センター(AMILEC)」は「ユネスコ・メディア情報リテラシー・パートナーシップ同盟」の加盟組織です。
今年の「報道の自由デー」は「権力をチェックし続けよう! メディア・正義・法の支配」をテーマとして、政治プロセスの透明性、司法制度の独立性とメディア・リテラシー、国民への行政の説明責任、ネット上の報道の自由を確保するための現代的課題について議論されました。また、2017・2018年のユネスコ・グローバルレポートは、メディアの自由・独立性・多元性・ジャーナリストの安全の観点から世界の現状がまとめられています。法政大学でも5月3日にファクトチェックをテーマにユネスコ報道の自由デー・フォーラムを開催しています。
「良心宣言ジャーナリズム2018」はこうしたユネスコの世界的な運動に呼応するものとして、ユネスコ・メディア情報リテラシー専門官アルトン・グリズィール氏を通して「メディア情報リテラシーと異文化間対話大学ネットワーク」の活動の一つとして承認されております。この機会に、ユネスコを通した世界各国のジャーナリスト運動との連携が広がることを期待いたします。
AMILEC代表 坂本旬
良心宣言 ジャーナリスト2018